誰が一番休んでいるか

 

いま、スウェーデンでは夏季休暇の最中である。ヨーロッパ大陸の方は8月が主流だ。この時期に、 

EU諸国の、休みの長短についての統計が発表された。数字は各国ともに、 有給休暇と祭日を合計したもので、

日曜日は含まれていない。

 

それによるとドイツの休日が最長で、ルーマニアが最短となる。経済危機に陥っているギリシャは、EU内で

「働かない」と非難を浴びているが、統計をみると12位で、中間に位置 している。ただし、労働時間は短いのだそうだ。

ついでだが、定年年齢も低いので、ギリシャ政府はそれの延長を図ろうとしている。

 

調査を行ったEurofond によると、有給休暇だけの統計だと、フランスとフィンランドが 最長だそうだ。それと、

ヨーロッパの状況の正確度を高めるために、EUに加盟していない ノルウェーも統計に入れている。 

問題は、EU間で最長と最短国の差が、10日間、つまり2週間もあることだ。この差の是正が、これからのEUの課題の

一つとなるだろう。

  

      EU諸国における年間休暇日数(日曜日は含まれない)

1

ドイツ

38,1

11

チェコ

33,3

20

スロベニア

31,0

2

イタリア

37,1

EU平均

33,0

20

ブルガリア

31,0

2

ルクセンブル

37,1

12

リトアニア

33,0

22

イギリス

30,5

4

デンマーク

37,0

12

ギリシャ

33,0

23

ポーランド

30,0

5

スウェーデン

36,0

14

フィンランド

32,8

23

ハンガリー

30,0

6

ポルトガル

35,8

15

アイルランド

32,2

25

オランダ

29,6

7

マルタ

35,0

16

ラトビア

32,0

26

エストニア

29,0

8

オーストリア

34,9

17

ノルウェー

31,9

27

ベルギー

28,2

9

スペイン

34,5

18

フランス

31,5

28

ルーマニア

28,0

10

スロバキア

33,8

19

キプロス

31,4

 

 

 

      出所:Eurofond統計を基に日刊紙DN作成の表を修正。

 
 
  みんな休暇をとるのか

 
スウェーデンでは1990年代に2日間、休暇の延長が法制化されたが、数年後には不況が原因で撤廃されている。

この2日間は、現行の5週間にさらにもう1週間を追加するために数回に分けて追加していくための、第一歩で

あったのだが、途中で中止となった。これからも、当分、休暇 延長の法制化は見合されるようだ。

 

有給休暇については労使間の協定で決まる。国がそれに干渉したのは、公共と民間部門の差の 是正だけで、最低

日数を法制化した。

 

書類の上での休暇はいっぱいあっても、誰もがそれをとるの、とよく聞かれる。もちろん、全員が100パーセント

とる。有給休暇は、給料の一部のようなもの。誰でも2週間働けば、1日の有給が得られると、簡単に計算できる。 
 
社会には、誰でも有給休暇がとれるようなシステムが出来上がっている。最初からあったものでは なく、少しずつ、

市民と国家、それに産業界が協力して作り上げた社会システムだ。

働く者は誰だって少しでも良い生活がしたい、経営者にとっては働く者の機嫌が良いと一層高い労働効果が得られる、

それに、市民が健康だと国家の医療コストもセーブできる、と三位一体の利益が一致する良いことだらけのシステムなのだ。

自営業の人だって例外なくとる。消費者が支払う料金の中に、きちんと有給休暇や年金にかかる 費用が含まれている。そして

5週間の休暇を誰もが楽しんでいる。まあ、この時期には少々の不便もあるが、それでも社会はちゃんと機能している。

休暇がなくなると、このおとなしい国の人たちでも革命をおこすだろう。いや、スウェーデンだけでは なく、多分、ヨーロッパ中で・・。

         

                  (このコラムは、DN2010-06-17を参考にした)

 

      

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